過去のコラム第3:部下の育成において大切なこと⓵
リーダー研修や管理職研修では、部下を短時間で指導する方法を習得したいリーダー、どうやったら部下を自分の思うように動かせるのかを知りたいリーダーが多くいます。 しかし、リーダーにこの考えがある限り残念ながらそのチームはうまくいきません。なぜなら自分の為に部下がいるという意識を捨てていないからです。部下指導に関しての具体的な方法論を学ぶ前に大切な事があります。 その一つが部下への 『愛情』 です。 管理職研修では講師が 「部下に愛情をもって指導して下さい」と伝えています。また、当社社長のホームページ挨拶文にも『愛情と情熱』 という言葉が入っています。 では部下とのコミュニケーションにおいて『愛情』 とは具体的に何なのでしょうか。世界的名著、エーリッヒ・フロムの『愛するということ」 にそのヒントがあるように感じます。 部下への愛情は主に4つ配慮・責任・尊重・観察です。 配慮とは部下を気にかける事、積極的に関わろうとする心の事です。言い換えると「気配り」、「気遣い」、「心配り」、「心遣い」などです。 責任とは部下が何かを求めた時にそれに答える準備ができている事です。また、部下に対しても自分の事と同じように責任を持つ覚悟が必要です。 尊重とは部下や仲間がその人らしく成長していけるように促す事であり、一方的に何かを押し付けたりせず、部下が自らしようとする姿勢を大切にする事です。 観察とは部下をよく知る事です。普段からコミュニケーションをとりながら、部下をよく見る事。部下のことを知らなければ、配慮も尊重もできず、責任を取る覚悟も持てません。 組織のリーダーはこの 『配慮』 『責任』 『尊重』 『観察』を常に忘れずに部下と接して下さい。 そしてリーダーは、仕事の知識、経験、失敗談、成功体験、喜び、悲しみ、醍醐味、といった自分の命の一部を部下に分け与え、また人格的にも成熟している事が求められます。 部下の人生をより良いものにしたいというリーダーの『愛情』が良いチームにするためには欠かせない要素だと考えます。 by Akutsu