過去のコラム第2:「パーパス」と「働きがい」の意義を考える

ここ最近、盛んにパーパス(purpose)という言葉が聞かれるようになりました。

パーパスとは「何のためにこの会社があるのか」という、
組織や企業の「存在意義」を意味します。

成長社会から成熟社会への転換期において、
営利だけを追求する企業体質に労働意欲が持てない社員が増えました。
特にミレニアル世代という2000年代以降に就職した20~40才くらい
までの人々にはその傾向が顕著です。
働きがいの価値が仕事内容や給料、肩書きなどではなくなり、
自分がその企業で働くことにより社会的にどのような意義を持てるか
という事に重きを置く人が増えています。

物がない時代の人間は生きるのに必死でした。お金を得て安心して
暮らすために必死で働く時代。

それに比べて今の若い世代は生き残るという感覚が乏しく、
その仕事の内容が人間らしく生きるに値するか
という疑問を常に持ち続けながら働いています。

企業が社会的意義を打ち出すことは今後とても重要な事です。
しかし、企業は社員一人一人のパーパスを理解しているのでしょうか。

最近、世代間ギャップを埋めるためのコミュニケーション研修を依頼
されることも多くなりました。
多様な価値観の社員がいて当たり前の時代に、企業のパーパスを社員
に押し付けてしまえば、そのギャップは埋まりません。

パーパスを団結するためのスローガンにするのではなく、
パーパスを軸に組織と個人とが相互理解をしながら融合し、
企業の利益と個人の働きがいのバランスを重視した企業体質にすることが大切です。

今後そういった企業に優秀な人材が集まり、伸びていく時代になるの
だと感じています。

by Akutsu