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第5回 言葉の裏に隠された真意 話法の妙で印象は180度変わります

平成28年6月21日

コラム気づきのココロ 第5回 言葉の裏に隠された真意 話法の妙で印象は180度変わります

 

colum_5-1あるゴルフ場のオーナーは、常々疑問に思っていました。

「キャディ達の業務内容に違いはない。しかし、指名の有無に歴然と差があるのはなぜだろう?」

 そこで分析を試みたところ、言葉遣いの違いが最大の理由だと分かりました。例えばキャディがお客様に暫定球を打ってもらう時、

「お客さま、OBですのでもう1球打って下さい」

は駄目なキャディ……。

 

人気のキャディは次のように言うのだそうです。

「○○さん、多分大丈夫だと思いますけど、もう1球打ってみましょうか」

または「○○さん、すみませんが、暫定球をもう1球打っていただけますか」

 

ほんの少し、言葉の選び方が違うだけと思われるかもしれません。しかしこの瞬間ゴルファーは、不安の渦中に身を置いてます。キャディの言葉がネガティブなのかポジティブか、それが暫定球に微妙な影響を及ぼしますし、何より前者が突き放した物言いであるのに対し、後者の言葉はキャディはプレーヤーの味方である、そんな思いやりに溢れています。このような違いが指名の多寡に表われるのは、当然のことだと言えるでしょう。

 

身近な例を考えてみます。

「20㎝のグローブはありますか」

とお客様から尋ねられたとしましょう。いつもは5種類あるのですが、たまたま2種類切らしてしまい、3種類しかありません。その場合、

「こちらの3種類しかないんですが……」

「こちらの3種類がございまして、色は白、ベージュ、グリーンの3色ございます」

 

さて、購入の可能性が高いのはどちらでしょうか。答えは自明。後者の肯定的な応対が販売に繋がる話法です。前者は「3種類しかない」という否定的な印象を与えます。品数がとても少なく、他の店に行ったらたくさんあるような気分にさせる。事実3種類しかありませんが、それを正直に表現すると購買意欲は萎んでしまうものなのです。

このように同じ状況でも表現一つで印象が全く変わってしまい、ひいては販売力にも差が出ます。一見小さな違いですが、先述のキャディを見るまでもなく、結局は大きな違いになる。言葉の妙といえるでしょう。

 

ゴルフ場やゴルフ用品販売店の例を挙げましたが、どんな業種にもいえることです。

 

そこで今回はホスピタリティーを感じられる表現を考えてみたいと思います。応対の中で是非駆使して頂きたい3つのポイントを紹介しましょう。

 

colum_5-2■ クッション言葉 

その言葉自体、あまり意味をなさないものの、言葉の間や前に置くと、大変やわらかい印象になります。

恐れ入りますが、 お手数ですが、申し訳ございませんが、

恐縮ですが、失礼ですが(プライベートなことを尋ねる時)、

あいにく(相手の要望などに応じられない時)

 

唐突に「少々お待ちください」と言うよりも、「恐れ入りますが」を前に置くとやわらかい感じを与えます。応対用語(いらっしゃいませ、こんにちは、かしこまりました、少々お待ちくださいませ、お待たせいたしました、失礼致します、ありがとうございました)も言い過ぎることのない言葉といわれ、応対の中で使うと何となく嬉しい気分にさせてくれますが、クッション言葉も使い過ぎはありませんので多用してください。

 

婉曲表現=依頼形 

~頂けますでしょうか、  ~頂けますか、~頂けませんでしょうか

これは次のように使います。

 

「少々お待ちください」⇒ 「恐れ入りますが、少々お待ち頂けますか」

「まもなく閉店時間ですので、お急ぎください」⇒ 「まもなく閉店時間でございますので、大変恐縮ですが、お急ぎ願えませんでしょうか」

「ここは禁煙ですので、タバコは吸わないでください」⇒ 「申し訳ございません。あいにくこちらは禁煙になっておりますので、おタバコは暫くお控え願えませんでしょうか」

 

このように遠回しな言い方を婉曲表現または依頼形と言います。相手にYES/NOを委ねていますが、YESを引き出す、賛同を得やすい表現だと言われます。注意を促す場面で言い切ってしまうと相手に「恥をかきたくない」心理が働き、非があるにも関わらず、「あの店で嫌な思いをさせられた」と被害者意識を持たれてしまう。それを回避する目的です。

 

被害者意識を持たれると厄介です。その場は黙って帰るかもしれませんが、統計学の実験によれば「平均12~15人」に「あの店は感じが悪い」と言いふらします。逆に満足した場合は「3人~5人程度」にしか言いません。インターネットに載せられれば『悪事千里を走る』どころではありません。

 

肯定的否定 

お客様の要望に応えられない時や質問に即座に回答できない時、否定的な言い方をせず肯定的にまとめる話法です。具体的には、

出来ません⇒致しかねます、 わかりません⇒わかりかねます

 

「すみません、私どもでは値引きはできません」

 ⇒ 「申し訳ございません。あいにく私どもでは値引きは致しかねますが、責任を持ってアフターサービスをさせて頂きます」

 

「すみません、私ではわからないんですが……」

 ⇒ 「申し訳ございません。あいにく只今わかりかねますが、早速お調べ致しますので、少々お時間を頂けますか」

 ⇒ 「申し訳ございません。あいにく私ではわかりかねますので、解る者を呼んで参ります。こちらにお掛けになって少々お待ち頂けますか」

 

若い方には「わかりかねる」「致しかねる」という言葉は使いづらいかもしれません。心がこもらなければ言葉だけ丁寧でも全く意味がありませんので、「わかりません」「出来ません」で結構です。ただ、例に挙げたように「早速お調べする」や「解る者をお呼びする」などの第2案を必ず添えるようしないと相手を拒絶したように聞こえますし、仕事も成立しません。お客様の質問に「できません」「わかりません」だけであれば、いまやロボットでも充分対応できます。人間が応対するのですから「提案型」にならなければなりません。

 

また、「DON’T」ではなく「LET’S」と肯定的に話すことを心掛けてください。

例えば遅刻した部下に向かって、

「明日は遅刻するなよ」DON’T、「明日は早く来ようよ」LET’S(私も来るから貴方もいらっしゃいという意味が込められます)

 

「タバコを吸わないでください」DON’T、「タバコは喫煙所で吸いましょう」LET’S(某病院ではDON’Tを抑制言葉といい、徹底的になくす努力をしています)

 

電話応対で「○○は只今外出しておりまして、5時まで戻らないのですが……」と言うと、5時までは貴方には絶対繋げませんと聞こえます。

「5時には戻る予定ですが……」と言い換えると、5時になったらあなたと話が出来ますという肯定的に聞こえます。

 

言葉には、裏側に隠された真意があります。自分がどんな言葉遣いをしているのか、時々客観的に自分自身を見つめてください。

 

 

 

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